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どうもてぃーるーむです。

なのはさんにこういう格好よさがあるといい。
・・・まぁ、これを格好良いというのかはよくわかりませんが。

なのはさんには大人の余裕がある気がする。
・・・まぁ、これを大人の余裕というのかはよくわかりませんが。

なのはさんとフェイトさん25歳くらいの設定。・・・まぁ、実はなんとなく他のssも25歳くらいで想像して書いてるんですけどね。


それでは『美味しいケーキ』





随分と寒くなった今の季節。
黄色く色付いたイチョウ並木の横をなのはと歩く。
なのはより幾分寒がりな私は、下着を重ね着して、トレンチコートになのはとおそろいのマフラー。
このマフラーは実は私の手編みで、おそろいでと片方をなのはにプレゼントしたのだ。
もっとも、編んでいるところはなのはに見られていたのでサプライズとはいかなかったのだけれど。
なのはは、女性にしては珍しい膝丈のアルスターコートに、件のマフラー。
アルスターコートなんてピアースブロスナンかと言われそうだが、いろいろなコートの中で、アルスターコートをきたなのはは特にかっこよくて、密かに私のお気に入りなのはばれていないと思う。たぶん。
もちろん女性らしいコートもなのはには似合うけど、ちょっとクラシカルな感じにぐっと来るのかもしれない。

それは置いておいて、だ。

「なのはなのは、ちょっと寄って行こうよ」

「ふぇ?」

組んだ腕を引っ張り、通りの一軒の広めのカフェを指差す。
このお店、ちょっと前に雑誌で読んで知ったのだけれど、結構有名なパティシエさんがやっているらしく、なかなかに評判が良い。
その上、今なら夫婦でなら3割引らしい。

「あー、なんか今流行りらしいね?フェイトちゃん結構ケーキとか好きだもんねぇ」

「まぁ、一番はなのはが作ってくれるお菓子だけどね?」

私は至って真面目に言っているのに、なのはは『はいはい』なんておざなりな反応。
なのはのことだから、どうでもいいと思っているのではなくて、言われなくても心配してないよくらいのことなのかもしれない。

なのはについて自動ドアを潜ると、いまいち聞き覚えのない洋楽がかかっている。
聞き覚えがない、といっても、正直洋楽には詳しくないので、案外メジャーなものが流れているのかもしれない。
店員さんに席に案内され、なのはと向かい合って腰掛ける。
ホットコーヒー2つと、私はショートケーキ、なのははザッハトルテを注文すると、さして時間をおかずに運ばれてくる。
まぁ、これから作ります!なんてものでもないのだし、直ぐに出てくるのが当然といえば当然かもしれない。

うん。ショートケーキ。美味しそうだ。
家でケーキも作ろうと思えば作れるし、プロほどじゃないけど上手に作れる自信もあるけれど、どうしても手間がかかる。
それを考えると、プロのケーキがこうして簡単に食べられるのは非常に都合が良い。

一口食べると、思わず口元が緩む。
こってりとした上品な甘みが口に広がる。
近頃は甘すぎないというキーワードが一人歩きしたりもするけれど、私は普通に甘いほうが好きだ。
すぐにもう一口食べる。
なのはに、美味しいねと声をかけようと正面を向いて、なのはが両肘をついて楽しそうにこちらを眺めていたことに気がつく。
だいたい、なのはのザッハトルテは全く手がつけられていない。
減ったのはコーヒーだけだ。

「な、なに?」

ずっとこうして眺められていたのではないかと思うと、形容し難い恥ずかしさが湧き上がってくる。

「ううん、美味しそうに食べるなぁ、可愛いなぁ、と思ってさ」

「あぅ・・・」

そういわれると、三口目が非常に食べ難い。

「ほ、ほら、なのはも食べようよ」

私が促すと、なのははようやくケーキを一口。
美味しいねとにこやかに笑う。
そういってもらえると、誘ってみて良かったという気がしてくる。

「はい、フェイトちゃん」

そういって、私の口元にザッハトルテを運ぶ。もちろん、なのはが先ほど使ったフォークで。

「え、えぇっ」

何度かされたことはあるけれど、全く慣れることなく、今回も普段より少し高めの声が口から漏れた。

「ほら、あーん」

「あ、あーん・・・」

思わず横目で左右をちらり。
お願いだから誰もみないでほしい。だってこんなの恥ずかしいよ。・・・嬉しいけど。

「ふふ、美味しい?」

「・・・美味しい」

うーん、ショートケーキも勿論美味しいけど、このザッハトルテもなかなかに美味しい。
なんというか、その、間接キスになったことだけが問題だけれど。
いや、別になのはと間接キスになるのが嫌だということではなくて、そんなのはだって、ダイレクトなキスも何度もしてるわけで。
ただ、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。慣れないものは慣れない。
こういうところがはやてに言わせれば万年新婚夫婦ということなのかもしれないと朧気ながらに思った。
いけないいけない。こんなことを考えていると頬が赤くなってしまう。そうなったらなのはに何を言われるかわかったものじゃない。
そう思って、平静を装う。

「・・・あの、フェイトちゃん」

なのはが言いにくそうに言う。

「あ、え、うん。何?」

「・・・私もショートケーキ食べたいな?」

あ、しまった。
なのはにお返しするのを忘れてた。
え?でも、待って?
これって、私のフォーク使うの?やっぱり?
う、箸とフォーク、それもケーキを食べるのに使ったフォークじゃちょっと違うな・・・。
箸なんて、パクっと口にはいって終わりだけど。
だって、その。フォークは接地面積が広い。
その。舌に対して。
その上、一口目は美味しいーなんて思ってちょっと間フォークを口の中にステイさせてしまった。
食べさせあいも勿論初めてじゃないけど・・・。

いつもよりも増した恥ずかしさを覚えながら、私もフォークでショートケーキをカットする。

そしてそれを・・・

「あれ!?もしかしてフェイトさんじゃないですか?」

と、唐突に呼ばれる自分の名前。
そちらを見てみれば、髪型は黒髪のショートカットで、ちょっとボーイッシュな印象の女性が立っている。
年齢は・・・うーん?たぶん二十歳になるかならないか・・・くらいかな?
ただ、一番の問題は、私が全くこの子に対して面識がないということだ。

「あ、すみません!私、今は執務官補佐をやらせてもらってるんです。私のことはご存知ないと思いますけど、でも感激です。フェイトさんとこうして逢えるなんて!」

「は、はぁ・・・」

若干興奮気味の彼女に、私はたじたじだ。
なんというか、こういうタイプの子にはしばらく逢ってないし、その、ついていけない。
なのはもなのはで、なんだかつまらなそうな顔をしている。
あれは私の経験則で言えば『憧れだった人に逢えて嬉しいのはわかるけど、けどよりによってデート中になんなんだこの子は』と思っている顔だ。
そしてそれはきっと正しい。

・・・そして更に困ったことに、その子は私の隣に腰を下ろす。
まさかのアポなし相席だ。
これにはさすがのなのはも一瞬目を見開いたが、すぐにいつもの顔に戻る。
うーん、私達が今、夫婦でデート中ってことは絶対にわかってるとは思うんだけど・・・。
私はともかく、なのはの前でなかなか勇気あるなぁこの子も。
でもその精神的な強さも執務官としてやっていく上では大切かもしれない。などと若干の現実逃避。

「フェイトさん、ショートケーキ好きなんですか?」

いって、私に流し目。
もうね、困った。本当に困った。
この子、私に色目使ってる。ぜったい。間違いない。
なのはの前でというのも大した自信だ。
けど、実はたまにあることだ。こういうことは。
流石になのはと一緒にいるのに色目を使われたのは初めてだけれど。
結婚する前でも後でも、男の人とか、女の人とか。
私に対してこういうことをやってくる人は、たまにいた。
そしてそれは、なのはも同様だ。私と一緒にいるときになのはが言い寄られたりしているのは見たことがないけれど、私がいないところではあったというのは、ヴィータに聞いたことがある。
恐らくヴィータの知らないところでもあっただろう。

別に有名人を気取るわけではないけれど、私もなのはも、ちょっと特殊といえば特殊だからかもしれない。
けどこんなときは、たいてい真面目に取り合わずに、無理ですと伝えて終わりにすることにしていた。
相手が直接行為を伝えてこようがこまいが、私にはなのはがいるからだ。
なのは以外は考えられない。
たとえ、どれほど積極的に、情熱的に、私にアプローチしてきたとしてもだ。

「あのね、君には悪いけど、こういうのは困るよ」

「えぇ~、何がですか?」

いいつつ、テーブルの下で、私のふとももを撫でる。
その手付きは明らかに異常だ。

思わずなのはに思念通話で助けを求めようと思ったそのとき、なのはの腕が私の方に伸びる。
瞬間、隣に座る子が身構えた。
しかし、その腕は私たちに触れることなく、先ほどなのはに食べさせようと思ったけれど、この子が乱入してきてお皿に置きっぱなしになっている、一口分のケーキを乗せたフォークに伸びた。

そのフォークを躊躇うことなく口へ運ぶ。
そして、フォークを加えたまま、まるで飴を舐めるようににしてから、ゆっくりと口から出すと、私のお皿でなくなのはの手元にあるお皿にフォークを戻す。
ケーキを食べつつなのはの口元がサディスティックに歪むと、隣の子をまるで品定めでもするように上下に視線を動かす。さも『ふとももを触ってることはわかってる』とでもいいたそうに。

この行動の意味は明らかだ。
口に出して説明する必要もないだろうが、今明らかになのはは、この子に対して、私への絶対的優位性をアピールしたのだ。
口元に運ばれたフォークを手元に置いたのは、フォークを私に見立てたからかもしれない。
そして『どう?立場の違いがわかった?フェイトちゃんは私のものだからね?』という気持ちが表情に出たのだろう。それは他人からみればサディスティックな笑みに見えたとしてもだ。

「・・・しっ、失礼しました!」

顔を赤くして、素早くと席を立ち去る。
さきほどまでの図々しさが嘘のようだ。

立ち去るその子に目をやって、正面のなのはに向きかえると、既にその顔はいつもの優しいなのはに戻っていた。

「あ、あの、ごめんね」

思わず謝る。

「んー、ちょっとびっくりしたけど。今のはフェイトちゃんのせいじゃないよ」

お嫁さんが美人だとこういうところが困るとなのはが付け加える。

「うぅ。でも、なのはもあんなことしなくても・・・。わ、私も恥ずかしいから・・・」

「いや、私だって言葉で追い払えればそうしようと思ったけれど、フェイトちゃんのふとももに触ったのがわかって、それでね」

・・・やっぱりなのはにはわかってたんだ。
テーブルの下でのやり取りなのにどうしてわかったのかは知らないけれど。
そんななのはのことがどうしようもなく好きなんだ。
まるで私のことならなんでも分かってくれるような。
今回だって、私を守ってくれたといえなくもない。
そんな貴方に、また一段、恋の気持ちが深くなる。
既にどこまで深くなったのかわからない。そしてこの先もずっと深くなり続けるだろう。
だから、なのはから離れられない。
だから、私を離さないでほしい。
私の高まった鼓動が聞こえるほど強く抱きしめて欲しい。

「ほら、なのは。あーん」

フォークを取り返すと、さきほどの続き。
なのはは嬉しそうに一口。

くらくらするほどの幸せが、今確かにここにある。

「フェイトちゃん。キスしよっか」

絶対に、こういうときは外さない。

あたりの様子をちらり。
今なら誰にも気付かれない。

なのはから、ソフトなキスをされる。
まるで愛を確かめるように。
言外に、好きだと言うように。

こうして今日も、愛に触れて、一日が過ぎてゆく。


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2013.12.09 / Top↑
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