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おはようございます。てぃーるーむです。
作ってまだ2日目、てぃーるーむとタイピングするのが意外と面倒だということに気が付きました(

まぁ、そんな話はおいといて。

今回は、映画、映画館を題材としたお話です。
映画を題材とした映画って新しいんじゃね!?って思ったら、「ニュー・シネマ・パラダイス」という不朽の名作が既にありましたねw


それでは、「love in cinema」





・・・―――お待たせいたしました

映画館のロビーにアナウンスが入る。

開演15分前の、入場受付のアナウンス。

それを受け、人々がいっせいに動き出す。

もちろん、私とフェイトちゃんも。

今日は、フェイトちゃんと映画を見に来たのです。
フェイトちゃんが上演したら見たいなーと言っていた恋愛映画。
巷での評判も上々で、尚更見たくなってしまったみたい。

映画館というのは、何か独特な雰囲気がある。
銀行だとか、市役所だとかにも独特な雰囲気がある・・・何かこう、学生時代の職員室みたいな。
じゃあ映画館は・・・といわれるとすぐには思いつかないんですけど。

なんてことを思って立ち止まっていると、フェイトちゃんに腕を引かれて。
ごめんね、と一言わびて、受付を通ってシアターに入る。

私とフェイトちゃんは、よく中央付近の列の通路に近い席を選ぶ。
そのほうがすぐに出て行けるし、通路側に座っていれば少なくとも一人分は隣の人のことを考えなくていい。
まぁ、人通りは多くなるんだけど。

席に座ってからが映画というのは長い。

上映中の注意とか、ほかの映画の宣伝とか。
これでは入場受付開始といわれて早々に入った私たちが損したみたいだ。

やっと照明が消えて、上映開始、というときに滑り込みで入り口から入ってくる人達。

時間は守ってもらいたい・・・なんて、几帳面な彼女は漏らしていた。
苦笑いを返して、それ以上何をしゃべるでもなく、スクリーンと向かい合った。
大抵の映画がそうであるように、序盤というのは正直言ってあまり面白くない。
恋愛映画なら尚更だ。
とはいっても、後半に序盤で行ったセリフとか、行動とかが重要な意味を持ってくる場合もあるから、いい加減に見るわけにも行かない。
序盤に何気なく渡した薔薇の花。
それで、終盤に告白するときも同じように薔薇を渡すとか、そういう演出があるかもしれない。

ちらと彼女を見ると、私にはわき目も振らず映画に集中している。


まぁ、それはそうか。見たかった映画なんだし。







物語は中盤。
主人公の彼女が、難病を患っていることが発覚する。
現代医療では治療法は皆無。
その場で余命を宣告されてしまう。

わずか1年と半年。

日数に直して、550日弱。

もし、もしも、
フェイトちゃんがそんな風になったら。あるいは、私がそんな風になったら。
その550日をどういう風に過ごすんだろう。
私なら。きっと最初の10日は悲しみに明け暮れる日々。
その次の10日が周りの人に励まされたり、諦めも付いて少しずつ前向きになる。
そしてそこから1ヶ月でお世話になった人に挨拶しに行く。
残りの500日は・・・フェイトちゃんの横顔を覗く。

さっきよりも、さらに映画に見入ってる。

映画では、二人ははじめから前向きだった。
残りの550日、一日も無駄にしないという感じで、彼女がやりたいこと、主人公がやりたいことなんかを一緒に消化していく。
一緒に遊園地に・・・とか、一緒に水族館に・・・とか。そんな、ある意味ではありふれた日常。
彼らにとって、「日常」というものは最早ない。

その全てが、特別な1日なのだ。






物語は終盤。
彼女がいよいよ起き上がることも出来なくなり、病院のベッドに横たわる。
その命のともし火も、終になるかというその日は、四年に一度のうるう日。

「ねぇ、貴方」

彼女が弱弱しく言う。
主人公は、泣き続けている。

「私のことを毎日思い出してなんて言わないわ。私に縛られずに、新しい人を見つけて、幸せになってほしいもの」

そういう彼女に、『馬鹿なことを言うんじゃない、俺はずっと君の事を・・・』と返す彼。

「だけど、だけど、4年に1度。うるう日の今日は、どうか、どうか私のことを思い出してほしい。私と過ごした日々のことを。私は、本当に幸せだったのよ。貴方と過ごす、何気ない日々が。街を歩く貴方の横顔も、子供みたいに無邪気にはしゃぐ貴方も、全部大好きだった。これからは、4年に1度。逢いましょう?」


4年に1度でいいなんて、ロマンティックな話だ、と思う。
私だったら、毎日思い出してほしい。
毎日思っていてほしい。
なんて思うのは、私の独占欲が強いのだろうか。

また、フェイトちゃんのほうに顔を向ける。

と、フェイトちゃんと目が合った。

フェイトちゃんは大粒の涙をこぼしていて、慌ててハンカチを差し出す。

言わなくても、なんとなくわかる。
フェイトちゃんは、きっとなんとなく不安になったんだ。

隣に居る、私が居なくなるんじゃないかって。

それは、必ず。いつかは。

でも、今からこんなんじゃ、フェイトちゃんを残して行けないな。
私がお先に失礼したら、「私も付いてきた」なんて、すぐに向こうで再会しそうだ。


大丈夫、映画館は暗い。

それに、物語が終盤の今、みんなスクリーンに集中してる。



皆が前を向く映画館の中で。

2人だけ、影が横をを向いて。


そのまま、静かに。その距離は無くなった。
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2012.02.04 / Top↑
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