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お疲れ様です。
てぃーるーむです。


皆さんは、ミュージカル、あるいはオペラなどを見たことはありますか?
自分は、本場のオペラなんかには縁の無い生活をしているので、見たことがないのですが。

実は結構ミュージカル(主に劇団四季)が好きでして。
四季の会のメンバーだったりしますw
年会費は2100円と、まぁ、高いか安いかは人によると思いますが。

さて、そんな劇団四季のミュージカル。
私が大好きなのが、今回のタイトル、「オペラ座の怪人」です。
ミュージカルに興味の無いかたでも、タイトルはどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。
自分はつい先日、東京まで行って、午後1時からアイーダを見て、そのまま午後5時30からオペラ座の怪人を見てきました。
オペラ座の怪人の怪人役は高井治さんが演じられていたんですが、自分はこの高井さんのファントムが大好きで。
鑑賞しながら鳥肌立ちっぱなしでした。
カーテンコールも今まで自分が足を運んだ中でも長い部類に入り、女性のお客さんなんかからは「高井さーん!」って黄色い声で呼ばれてました。うらやましい。


さて、今回は、そんなオペラ座の怪人を元ネタとしています。
といっても、そこまでオペラ座の怪人に重点は当てていないので、オペラ座の怪人をご存じない方でも、楽しめるようには書いたつもりです。

この作中で、オペラ座の怪人について少しネタバレ(?)しちゃいますが、それでも是非、機会があれば皆さんにもご覧頂きたい作品であります。


それでは『オペラ座の怪人』





ステージからの声が劇場内を包む。
ミュージカルであるから、当然静かであるわけはないのだが、観客は各々、ステージで演じられるそれに見入っていて、『声がしているのに静か』というなんともちぐはぐな、そんな雰囲気を感じる。

隣に座るフェイトちゃんも、じーっと舞台を見つめている。
彼女の方を見やったわけではないけれど、なんとなく、これも、雰囲気でそう感じる。

『愛しい人よ、今宵も君の心に潜みて』

ファントムが、愛しの彼女を連れ去り、語り歌う。

そう、ただ歌うだけではない。

語り、歌うのだ。


『共に歌おう。この歌』


狂った愛とは、なんなんだろう?

それはつまり、愛に正義と悪があるということだろうか。

間違った愛と正しい愛があるということだろうか。

だとすれば、その線引きは?


それはつまり。

彼女に寄せる愛が、彼女にとっては、あるいは又周りの人には『愛』として投影されていない。

だけれども、まぁ。

二人の間にある愛が、第三者に理解されるのか、という根本的なところを問えば。その答えは『NO』ではないのだろうか。

社会に多くいるそれぞれのカップル、夫婦の間にある愛が、全て一様に同じかといえば当然そんなことはない。

それぞれに愛の形があって。

要するに『愛』という、ただ一辺の言葉では、もう既にその意味を支えきれなくなっているのだ。

その膨大な種類、量、形、情熱、ドラマ、背景、関係、その他全ての要素は、既に『愛』という言葉の器からあふれるだけあふれだし、器の置かれたテーブルからもこぼれ、床に散らばっている。


『The Phantom of the Opera... そう。私だ』

なんとも妖しかっこいいファントムは、今、彼女の気を引こうと必死なのだ。
たとえ、彼女が別の男性に惹かれていたとしてもだ。

そう。
こういった、叶わぬ恋を題材とした作品というのは、大衆の心を打ちやすい。
最終的にその恋が叶った、叶わなかったは別の問題だが、例えば、ロミオとジュリエット、ハムレット、タイタニック。
世間ではいわゆる名作として認知されている作品だ。


そして、女性というのはこういったミステリアスな雰囲気を持ち合わせる男性に惹かれやすい・・・と、これは個人差があるかもしれない。

と、ここまで思っておいて、別に自分もそういった風ではないなと思い直す。
フェイトちゃんにミステリアスなところがあるか、と言われると、まったく持ってミステリアスではない。
天然さんな所はちょっとあるけど、これはミステリアスとはちょっと違うだろう。
まぁ、私の場合はフェイトちゃんの雰囲気が好きとか、そういう話ではないからちょっと比較対象が間違っているような気がしないでもないのだけれど。

ちらと彼女を見やると・・・。

なんだ、まるで子供じゃないか。

目をきらきらさせてステージに釘付けになっている彼女が居る。

これはもう『ファントムさんかっこいい』と思っているか『オペラ座の怪人ってすごい』と思っているのかのどっちかだ。間違いない。

幼いの男の子が、カブトムシやクワガタムシを見つけたときの目と一緒だよ。これは。

いや、だからといってファントムに嫉妬なんてしないけど。

・・・ほんとは、ちょっとだけするかも。ほんとーにちょっと。


まぁ、上演中の今は夢の中。
そんなところで何を思っても仕方がないか。


しかし。

一体何が、ファントムをここまで縛り付けるのか。

見ているこちらが、思わず感情移入してしまいそうなほど。


愛の閃光に盲目となったその眼で、一体どんな結末を望もうとしているのか。

最早何も見えない。最早何も映らない。

ただ、彼女を想うその気持ちが体を前へ前へと突き動かす。



ねぇ。フェイトちゃん。

もしもフェイトちゃんは、今日の夜。

誰かが、そっと窓から近寄って、その妖しげな姿で、ある意味では催眠術を掛けてきたら、フェイトちゃんはどうするの?

その寝ぼけて空ろな瞳に、半面を仮面で覆ったファントムが映ったとき、どんな反応をするの?

なんだか、そのままふらふらと連れられていってしまいそうで不安にもなる。

そう、そんなことは『ありえもしない絵空事』。

現実にそんなことが起こる確率は、きっと、お店の陳列棚で、電動ドリルと二十日大根が隣りあわせで売られている可能性より低い。
だけれど、今、こうして魔法を扱う自分のことを考えると、絵空事の境界線がわからない。

地球に居た頃に、世界には魔法使いがいて・・・なんて話をされても、まったく信じなかっただろう。
子供心に『嘘だ』と考えたに決まっている。

しかし、得てして「まほうつかいさん」とやらは確かに存在したのだ。
昔話に出てくるような、魔法のステッキを振って、お嬢さんをお姫さまに変えちゃうとか、お星様を光らせるとか、そういったロマンティックな魔法使いとは、少し違っていたが。

しかし今、地球で語られるような『リアリティ』という言葉に、今更どれだけの意味があるのか。

とまぁ、そんなわけだから。


私の知らない世界では、ファントムが本当にいるかもしれない。

どこかの次元世界では、住民達が毎晩仮面を身につけて、舞踏会が開かれているのかもしれない。



物語は、いよいよクライマックス。

ファントムが、愛しい彼女と、そしてその彼女の恋人を捕らえる。
『私を選ばなければ、こいつを殺すぞ』

そして、彼女は。

ファントムを選ぶ。

しかし、そのことを上手く理解できないファントムは、彼女とその恋人をその場から立ち去らせる。


そして、椅子に腰掛け、自らの手で、静かに羽織っているマントで自分を覆う。

追っ手が、そのマントを払ったとき。

椅子の上には、ファントムのつけていた仮面だけが残り、そこに、ファントムの姿はなかった。



椅子にポツンと残されたその仮面にスポットライトが辺り、静かにフェードアウト。
余韻の残る幕切れ。

そして、巻き起こる拍手と、カーテンコール。

フェイトちゃんも、感極まって、と言った様子だ。

この感じでは、また近いうちに来たいというかもしれないな。


最後に、怪人は何を思ったのか。

恐らくは、私を選んでほしいと思いながらも、若い二人に真実の恋が芽生えることも期待していたのではないだろうか。
だからこそ、最後まで宣戦布告しつつも、永らえさせたのだ。
しかし、それでも尚、愛した彼女に、最後は選ばれた時、言葉では表現し難い動揺を覚えたに違いない。

彼は彼としてしか存在できない。

これまでも。そして、あるいは、これからも。




「フェイトちゃん、どうだった?」

カーテンコールも終わり、周りのお客さんも徐々に席を立ち、去ってゆく。

そんな中、隣に座る彼女にそう声をかける。

こっちを向いた瞳は、ちょっと劇中の、あのキラキラとした目ではなく、何かに満足した、というような目に見える。


「なのはは、今晩、ふと誰かに揺すられて。目を開けたらファントムが居たらどうする?」

質問と答えが噛み合っていないような気もするが。
それは、私が劇中に考えていたこととまったく同じじゃないか。

私も、おんなじこと考えてた。と、二人で笑いあう。

「でも、ファントムに連れて行かれるなんて、ロマンチックだよね」とフェイトちゃんが言う。

「えぇー、フェイトちゃん付いてっちゃうのぉ?」

ガッカリ、と付け加えると、彼女が慌てて訂正に入る。

「いやいや!もちろん、なのはが一番だけど!ほら。ただ、ロマンチックだね。ってだけ」

いや、ロマンチックだね、っていうのはさっきも聞いたけど。


大人なラブストーリーだったね、と彼女が付け加える。

あれをラブストーリーと見るあたりが、私と彼女の価値観の違いなのだろう。

どちらかといえば、私はヒューマンドラマに近いものであるように感じた。


「フェイトちゃんとしては、ファントムは幸せだったと思う?」


人生が、二度あれば。

今度はファントムがあんな風にではなく、もっと正道で、想い人と結ばれても良いんじゃないかと思う。

この人生が、二度あれば。

「私がファントムだったとしたら、最後、選んでもらえてやっぱり嬉しいかな」

まぁ、そうだろう。
フェイトちゃんは、そういう性格だ。
いや、単純、という意味ではなく。
人の心を正面から素直に捕らえる子だから。


「私は、フェイトちゃんにとってのファントム足りえる?」

冗談めかしてそう尋ねる。

彼女は、少し考えるようなそぶりを見せる。

恐らく
「ファントム足りえる」の意味がわかっていないのだろう。

まぁ、私だってはっきりとした意味を持って尋ねたわけではない。ただの言葉遊びに近い。
ただ、なんとなく。
そういうと言葉に格好が付く、というか、
小説なんかでたまに用いられるように、ただの会話に、ほんのちょっと、深みが増すような気がして。


と、何かに思い至ったように。
「私の心は、はじめからなのはに傾いてるよ」

そうか、なるほど。そういう読解の仕方もあったか。
何故か、そういって、彼女は誇らしげだ。

もちろん。私の心も、彼女に傾きっぱなし。
であったときから、心の天秤は、フェイトちゃん側が地面についてる。
あとは、フェイトちゃん側に分銅が加えられてゆくばかり。

だけれど、彼女の口からそう聞けただけでも、なんだかとても満足した。


周囲を見渡すと、残るお客さんは私たちだけ。
係員に急かされる前に、私とフェイトちゃんは足早に、劇場を後にした。





今宵も。君の心に潜みて。

The Phantom of the Opera... そう。私だ。



追記

作品中に出させていただきました音楽は
オペラ座の怪人の「The Phantom of the Opera」(youtube)

これももちろん大好きな曲ですが、
私的なオススメはこちら
point of no return』(ニコニコ動画)

そして最後に、一応、口だけではないということでw
・・・誰だ、字が汚いとかいったヤツ。
sikinokai.jpg
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2012.05.29 / Top↑
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