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お疲れ様です。
てぃーるーむです。


まず、はじめに。
私の更新に毎回、拍手を賜りまして、ありがたく存じます。
このような場合、他サイト様などでは、拍手御礼ということで記事を割かれている場合もございますが、私のブログの場合ですと、コメントを頂きます方が少数かつ限られてくるということもありまして、勝手ながら拍手御礼につきましては、記事を割きにくい状態となっております。
とは言いましても、「コメントを残してほしい」ということではなく、コメントを残していただいている方に不信感や不満のようなものがつもりますれば、申し訳ないと思い、ここにて釈明させていただきます。

これからも、応援よろしくお願い申し上げます。


・・・と、はい。

では、本題ですね。
皆さんは、ご家族の方や、あるいは友人など、親しい方の「字」というものを、無意識のうちに区別したりはしていないでしょうか。
例えば、自分の下に差出人のない手紙が一通届いたとして、
その字を見れば「・・・あれ?これ弟の字じゃないか・・・?」だとか「この字は、○○さんの字っぽいな」だとか。
まぁ、別にそんな手紙が届くっていうSSではないんですが。
そんな、サインとか、筆跡に焦点をあてた作品です。

それでは、『サイン』





「それでは、こちらにサインをお願いします」

執務官の仕事に関係する物品を受け取る際に、当該保管所の担当者に事務的にそういわれる。

入局したての頃は、あちらこちらの書類にサインを求められては、心の中であたふたとしていたものだが、現在では執務官という仕事柄も相まって、すっかり慣れてしまった。

比べたことなどないのではっきりといえることではないが、恐らくは、教導官のなのはよりは、サインをする機会が多いのではないだろうか。

部隊長のはやては色々な書類に目を通すだろうから、はやてと比べればどうかはわからない。

しかし往々にして、執務官というのは、1つの作業に対して2回も3回もサインを求められることが多い。

一番最後の書類に、まとめて1つにしてもらえればこちらとしても助かるのだが、やはりそうもいかないようで。
言い方は悪くなってしまうが、ある意味では役所仕事だといえる。
形式改善という意味では、真っ先に取り組むべきであるとも思うのだが。恐らくそんなことを考えているのは私くらいのものなのだろう。

・・・まぁ、そんなわけで、常日頃からサインをすることが多い仕事のため、制服の左胸ポケットには一本の万年筆のクリップが頭を覗かせている。
万年筆というと、どちからといえば年配の方が使うイメージが強いが、使ってみるとそんなものは固定観念であったと気がつく。やはり高いものは高いものなりに使い心地も確かに違う。
そもそも万年筆というものは、使い手の筆圧や使い方によって、ペン先が微妙に変形し、使ううちにより馴染んで来るものだ。
そうなってくれば、万人に使われることを目的とするペンよりも、使い心地がいいのは自明の理だ。

といっても、この万年筆は自分で買ったものではなくて、なのはからのプレゼントなのだけれど。
あまりこういったところへ気を回さない私に何か思ったのか、それとも、ただ単純にプレゼントとして選んだだけなのか。
そのあたりのことはわからないけれど。
「執務官ならペン使うことも多いでしょ?」という理由でプレゼントされ、もちろん。それを断る理由もない・・・というが、断れるわけもないし。
それをありがたく貰って、今に至る。

ところが、以前、出張先の宿泊先でサインを求められた際に、何気なくこの万年筆を使ってサインしたところ、一緒にいた同僚に『流石フェイトさん。ペンも良いもの使ってますね』なんていわれてからは、ペンを駄目にするのが怖くて、逆に使いづらくなってしまった。
その後、自分で万年筆についてちょっと調べてみて、使えば使うほど馴染むだとか、ペン先は交換可能であるだとか。
そういったことがわかってからは、使う機会があれば積極的に使うようにはしているが。


先ほど受けとった物品、
というよりも書類なのだが、それを抱えて、本局の廊下を歩く。

いつもならば、本局の廊下というのは人通りが多く、なにやら忙しそうに局員が走り回っているが、今日は珍しく人が少ない。

別に今日、なにかイベントがあるという話も聞いていないし、本当にただ偶然で、人が少ないのだろう。
もしかしたら、オフィス仕事が皆一様に積もっていて、廊下に出る暇なんてないのかもしれない。

・・・いや、それはないな。と知り合いの顔を何人か思い浮かべる。
大体、忙しそうなときでも、ちょっとロビーで休憩とか、そういうのはあったように思う。
知り合いが、手抜き症なだけじゃないと思いたい。

不意に左手に、おおよそアナログ的な掲示板が現れる。

イベントなんかがあると、この掲示板に日程が張り出されたり、あるいは、本局各課の連絡事項なんかが張り出されたりする。
しかし、いま現在では、管理局員達が匿名でやりとりする掲示板としての意味合いが大きくなっている。

誰かが匿名、あるいはイニシャル程度で「○○さんと仲良くなりたい」みたいなことを書くと、また誰それが「こうすると良いと思う」みたいなことを書き込む。
ショッピングモールなんかでたまに見かける、コミュニケーションノートと似ているかもしれない。

『ふーん・・・』くらいでその前を通り過ぎようとしたフェイトだが、いくらかの文字が目に止まる。

質問者が、戦技試験のことについて尋ねているのだが、それに対する回答者の文字。
どうも見覚えがある。
と、いうよりも。

これって、なのはの字では・・・?

イニシャルは記名されず、完全に匿名だが、これは完全になのはの字だ。
この角ばりながらもすらっとした。
どちからといえば女性が書く字というよりは、男性が書く字に似ている。

その上、字体がどうのだけでなく、なのはは戦技試験官でもあるし、この質問への回答者、というところがよりいっそう、『なのはではないのか?』という疑問を核心へ近づける。

その上、よくよくみると、なのはの字(恐らくだが)がこの掲示板、至るところにある。
なのはがこの掲示板のユーザーだったなんてはじめて知った。
教えてくれてもいいのに、という考えが直ぐに浮かんだが、別に教えるようなことでもないなと思い直す。

「私、あの掲示板のヘビーユーザーなんだ!」なんていわれても、それは確かにリアクションに困ってしまう。
「そうなんだ、今度見に行くね」なんて答えるのも可笑しな話。

いいところが「今度、私も使ってみようかな」程度の話になるのが関の山だ。


いや、しかし。
実になのはの、面倒見のよさというか、なんというか。
姉御肌のようなものが良く出ている。
魔法に関する質問でも、恋愛に関する質問でも、親しみやすい文面で、丁寧かつ簡潔に書かれている。

この返事がなのはのものであるということに一体どれだけの人間が気がついているのか、ということはおいておき。
なのはが後輩や同僚に慕われている理由は、何も魔法の実力だけではない、ということをうかがわせる。


そして、その掲示板の中に、なのはが質問者となっているものを見つけた。
いや、本当になのはなのかどうかはまだわかっていない。

この質問に、私が答えてみようかな、なんていうちょっとした悪戯心がわきあがる。
これを見たなのはが一体どう思うのだろうか。

胸ポケットから万年筆を取り出す。
いかにも「私が書いたんだけど、気付いてくれるよね?」というような感じがして、いやみっぽくなるかと思ったが、
まぁ、万年筆で書いても、書かなくてもきっと気付くし。
万年筆で書かなかったら
『もしかして、万年筆気に入らなかったのかな?』なんて余計な心配をさせてしまうかもしれない。

そんなわけで、万年筆でさらさらさら。
もちろん、イニシャルは書かない。

フェイトは、それを書き終えると、思いのほか時間が経っている事に気がつき、足早にその場を後にした。






ところが。
その晩、そして次の日。

なのはが何も言ってこない。

もしかしたら、まだ掲示板見てないのかな、なんて気にもなるけれど。
こっちから「掲示板のことなんだけど」なんて話を切り出したら、本当に見ていなかったら台無しだし。
だいたい、なんだかかまってほしいみたいじゃないか。

そんなわけで、その翌々日。

例の書類は、今度は保管所に預けに言って、その帰り道ながらに、掲示板を覗いてみる。

今回は、私だけじゃなくてシャーリーも一緒だが。

掲示板をちらとみやるきっかけを、どうシャーリーに振ろうかと悩んでいたが、シャーリーが意外にも先に口を開く。

「あ、フェイトさん。ちょっと掲示板見ていってもいいですか?」

なるほど。
彼女も、この掲示板のユーザーだったのか。

確かにこういったものが好きな性格も知れないなと思う。

もしかして、あまり使っていないのは私くらいのもので、局員の人って結構使っていたりするのかな・・・?

でも、前回見に来たときは、シャーリーの文字には申し訳ないけどまったく気がつかなかった。

まぁ、今では通信端末でのやりとりが多くなってきているし、シャーリーの文字を目にすることが少ない、といえば少ないことも原因だろう。


と、シャーリーがあっと驚いたような声を上げる

どうしたの? と尋ねてみると、好奇心に満ちた顔で、これって、と指をさす。

そこには、先日、私が答えた回答のしたに、さらになのはの文字で回答が。
しかも、N.Tと自分を主張するようにイニシャルまで入れて。

なんか、周りには冷やかしの文面まで貼り付けてあるし。

この文字は、はやてだ。間違いない。
・・・こっちの文字は、ちょっとわからない。
けど、どうせはやての知り合いに違いない。

今度あったら、文句のひとつでも言ってやろう。
はやてらしいといえば、はやてらしいけれど。
なのはの字、ほどではないが、はやての字だって見ればわかる。

けれど、この掲示板のほかの箇所にはやての文字はない。
いや、はやてのことだから、ここになにか書くときには、字体をわざと変えて書き込んでるのかもしれない。
彼女ならそれくらいのことは朝飯前だ。
それで、なのはと私の書き込みだとわかったところは、いつもどおりの文字でからかいに来ているのだ。


・・・それにしても、なのはにまた一本取られてしまった。
まったく、こんないい加減なことを。
もしかして、なのはとはやてが一緒にこの掲示板を見に来て、二人して私をからかって・・・?

私がなのはの反応を楽しみにするつもりで書き込んだのに、これでは。
今頃なのはは、これをみた私の顔を思い浮かべて、一人にやにやしているに違いない。

いや、いいですけどね。

「さ、もう行こう、シャーリー」

「あ、ちょっと照れてます?」

その手には乗らないね、と、私が無言で歩き出すと、
「待ってくださいよぉ」なんて情けない声。

そして、掲示板と私とを2.3度ほど見比べて、踏ん切りをつけて私の元へと駆け寄ってくる。

「今夜、なのはさんが何て言ってたのか教えてくださいね」とかなんとか言われる始末だが。

言うわけないじゃん・・・なんて心の中で呟く。

それはともかくとして。
まずは、まずは・・・。

はやてのところにいこうかな。





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『皆さんは、恋人さんとなかなか会えないとき、どうしていますか?』


『寂しいので、常に彼女のことを考えています。あとは、こまめに連絡を取り合ったり・・・ですかね。心から愛してます。』


『しょーがない。愛してあげますか。 N.T』

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2012.05.16 / Top↑
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