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おはようございます。
てぃーるーむです。

今回は、なのはさんがフェイトさんを護りたいなー。そんなss。
いや、別にバトル要素があるわけじゃなくて。
そんななのはさんの心の中の決意を文字にして書き出した(?)みたいな感じなんですけど。
けど、最後の方は、どっちかっていうとほのぼのですかね。

それでは「決意、そんな一辺」





六課の通路から外を見ると、ライトニング隊が訓練を終えたところであるように見えた。
フェイトちゃんとエリオとキャロが、横一列に腰を下ろして何やら可笑しそうに談笑している。
もちろん、何を話しているのかが聞こえるわけではないのだが、恐らくは他愛もないことを話しているのではないだろうか。


彼女が。
フェイトちゃんが、本当に自然な笑顔。心からの笑顔を見せてくれるようになったのは、ほんの数年前の話だ。
ほんの、というには時間が経ちすぎているような気もするけれど、まだ10年も経ってはいない。

今のフェイトちゃんは、どちからといえば温和だとか柔和だとか、そういった雰囲気をまとわせているけれど、出会った当初は冷淡、冷酷といったような雰囲気をまとわせていた。

フェイトちゃんがこうなってくれた要因のひとつに、私が居れば良いなと思う。
・・・正直にいえば、「もしかして私のおかげなんじゃないか」なんて思ってもいるのだが、これは少し自惚れが強いかもしれない。
彼女は彼女なりに、色々と葛藤して、捨ててきたものもあるはずだ。

惜しむらくは、そういった相談をフェイトちゃんはあまり持ちかけてこないことだ。

自分の手に負えないようなことでも、他人に迷惑がかかりそうなら自分でがんばってしまう、そんなところがある彼女には、今もなお手を焼く。
相談されない自分がわずらわしくも思う。
まぁ、これは良くも悪くもフェイトちゃんらしい、というか、そういったところなんだろう。


窓越しに見える彼女を見やりながら、向こう3人の明るそうな雰囲気とは反対に、私はどことなく、シリアスになりかけている。

私が、彼女を護らなければ。
ありふれたセリフだけれど、世界中が彼女の敵になったとしても。
彼女のためなら、平気で世界を敵に回せる。

もしも、もしも、彼女を手にかける輩が現れたら、決して許しはしない。
決して、だ。
泣いて謝ろうと跪いて許しを乞おうと。
彼女の為なら、それこそ私は---

「なんや、そんなしけた顔して」

突然かけられた声に、思わず肩が跳ねそうになる。

「もう、驚かせないでよ、はやてちゃん」

いや、そんなつもりやなかったんやけど・・・と小さく呟く。

そして窓の外を見て、ははぁ~と勝手に納得。

「お嫁さんがべっぴんすぎるってのも、悩みもんやなぁ」

そういうと、はやてはなのはの肩をぽんぽんと叩いて逃げるように廊下の角に消えていった。

あのニュアンスからすると、どうも私の心をはっきりと見透かしていたわけではないようだ。
むしろ、的外れ、といっても良いだろう。
・・・いや、もしかしたら、全部わかった上であえて茶化してきたのかもしれない。


ひとしきり考えが頭の中をめぐった後、まぁいいか、という気がしてくる。

どちからといえば、根は楽天家なのだ。

今は時間もあるし、となのはは先ほどまでの気持ちを振り払うように、外にある訓練場に向かう。

と、言っても訓練をしにきたわけではない。

バリアジャケットを身に着けると、地面を蹴って空に飛び出す。

子供の頃は、何もなくても良く空を泳いでいた。
青空の中に身を委ねていると、漠然とした不満や、悩みが晴れるような気がしたからだ。
文字通り、晴れた空にあやかって。
人間なんて、そんな風に意外と単純なものだ。

確か明日の天気予報は雨だったはず。
すがすがしいまでのこの空を、さっと雲が覆って雨が降るなんてにわかには信じられない。
明日の天気予報がはずれなら、それもいいと思う。
雨が降っていると、やはりどうしても気分がブルーになる。
髪の毛のセットも、上手くいかない。
フェイトちゃんは、髪質なのか知らないけれど、朝寝癖がどれだけ付いていてもちょっと手入れすればいつもの髪に戻る。

それに引き換え、私の髪はだめだめ。
おかげで、二人でどこかへ出掛けるときには彼女より30分は早起きしないと身支度が間に合わない。

ベッドで気持ちよさそうにスヤスヤと眠る彼女になんとなく嫉妬して、軽い悪戯もしたくなるというものだ。

・・・一度怒られてからはしてないけれど。

と、先ほどから彼女のことしか考えていないということに気が付く。
まったく、好きすぎるというのも考え物で。
子煩悩ならぬ嫁煩悩だ。

ここからでも彼女が見えるのではないかと思って、広い青空を三次元的に、あっちへふらふらこっちへふらふら。

向こうにふわふわ、そちらにふわふわ。


・・・、・・・いない。

見当たらない。

見ようとすれば見当たらず。
たまたま外を覗いてみれば見当たって。
まるで空想の生き物だ。

心が綺麗な人にしか見えませんよ。なーんて。

広い空に、取り残されたようにぽっかり浮かぶ、白い雲。
そして私も、ひとりきり。


『ピーッピーッ』

と、あまり聞くことない警報がなる。
この訓練場では、そのシステムゆえ、現行の訓練に関係のない第三者が立ち入ると安全ためにシステムがダウンする設計になっている。
今、私は何もしないで飛んでいるだけだから大丈夫だけれど、もしもガジェットドローンを使った訓練なら、事務職のお姉さんが攻撃の巻き添えを食らうかもしれない。

もっとも、訓練中なのは外から見えるから立ち入るなんてことはまずないのだが、今回は何も出さずにただ飛んでいただけなのが裏目に出たようだ。

訓練場の名目上の責任者である教導官としては、警報が出た以上はそれに対処しなければならない。

その辺の鳥が紛れ込んだだけならいいのに・・・。
となのはは思うが、鳥が紛れ込めないようなシステムになっていることはなのはが一番良く知っている。

やれやれとため息をつきながら緩やかに降下する。

すると、フェイトが申し訳なさそうな顔をして佇んでいる。

「あ、あの。ごめんね、邪魔するつもりはなかったんだけど、あの、えっと・・・」

私が空を飛ぶことが好きだということを知っているからか、それを邪魔したことに対して非常に申し訳なさを覚えているようで、見ているこっちが不安になるくらい。
今にも泣き出しそうだ。

「ううん、私こそごめんね。何も出てない訓練場に人がいるなんて思わないよね」

「あ、えっと。なのはがいるのはわかってたんだけど。遠目から飛んでるのが見えて」

どうも話を聞くと、
遠めに私が空を飛んでいるのが見えて、訓練してるようには見えないし何やってるのか気になる。
それで近づいてくる内に、うっかり一歩踏み込んでしまったらしい。

「いや、何だか、空に浮かんで向こういったりこっち行ったりしてるから、何かトラブルでもあったのかな。って」

いや、あれは、フェイトちゃんを探していたんだけど。
まさか見られていたとは。

何やってたの? とかわいらしく尋ねる彼女に、どう答えたものかとちょっと唸る。

「うーん、フェイトちゃんは、私が護るから大丈夫だよ」

言ってから、質問と答えがかみ合っていないことに気が付く。

けれど、彼女にとってはどうでも良かったようで。

あ、うん・・・ と小さく答える。

これは、興味がないわけではなくて、ただ照れているだけだ。

護り護られ、護られ護って。

魔道の道を歩む夫婦なんて、そんなもの。

伴侶に背中を預けて、戦うことが出来れば。
彼女になら、私の背中を安心して預けることが出来る。

逆に、彼女の背中を、私なら預かれるはずだ。


「あの、なのはと一緒に・・・」

彼女から、何かを誘うとする文句が出るが、照れ屋な彼女は尻すぼみ。

やさしく待ち受けると、

「・・・空が飛びたい」


なんだ、そんなことか。


彼女がバリアジャケットに着替え終わると、彼女の手を掴んで、一歩、空へ。

つられるように、彼女も一歩、空へ。


あとは、そのまま。流れるように。

高く、広く、青空へ。


先ほどまで、ひとりきりで浮かんでいた白い雲の隣には。
二人のようにもうひとつの雲が浮かび、ただ気ままに、風に流されていた。



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2012.04.01 / Top↑
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