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お久しぶりです。
てぃーるーむです。

忙しさにかまけて更新さぼってました。てへぺろ。
いや、すみません(´・ω・`)

おかげでホワイトデーSSもなのはさん誕生日SSも書き損ねた・・・。

いや、このSSが誕生日SSなんですけど。

ホワイトデーSSも近日中にUPしますけどねw


それでは「刻印は旦那様の嗜み」
・・・あの、一応言っときますけど、えっちくないですから(
その上、書いてから思ったんですけど、これ、誕生日じゃなくてもいいじゃん(





「一年かぁ・・・」
誰に話しかけるわけでもなく、フェイトは誰も居ないリビングに声を向ける。
声は虚空に放物線を描いて、フローリングの床に吸い込まれるように消えていった。

カレンダーについた赤色の花丸。

痛々しいほどの油性インクが、その日が、愛する恋人の誕生日であることを明確に告げていた。

一年とは、なんと早いのだろうか。
本当に一年前の今日から、365回も一日を過ごしたのだろうか?
本当に、24時間という長い時間を365回も過ごしたのだろうか?

世界のどこかに、一年を司るゼンマイのようなものがあって、そのゼンマイの巻きがちょっと足りなくて、一年が短くなったのではないか?

なんて、ありえもしない空想にフェイトはただ浸るが、それほど一年は短かったのだ。

正確に言えば、短かったのは今年だけではない。

毎年だ。特に、なのはと出会ってからは。

かの有名な相対性理論を確立したアインシュタインは、相対性を説くときに、「恋人と入れば、1時間は1分のように感じる。熱せられたストーブに手をおけば、1分は1時間のように感じる。相対性とはそういうことだ」と言ったらしい。

なるほど、1年がどうも短いのはアインシュタインのせいだったのか。

これも、ありえもしない空想。


そう。
今日は、なのはの誕生日。

それなのに、肝心の彼女がいない。

私もなのはも、仕事柄、そんなに自由に休みが取れるわけではない。
なのはもどうにか今日を休みにしようと調整はしてくれていたみたいだけれど、教導隊で導入しようとしている新しいハードウェアのテストになのはが必要らしい。
それで、メーカーとの折り合いとか、他の教導官の都合とか、そういうことを考えると、どうも今日くらいしかやれる日がないそうだ。
今日を逃すと、次に予定があうのは1ヵ月後とか、もっと後とか。

良くも悪くも、人一倍責任感の強いなのはは、それを察すると特に強く反発もしないですんなり受け入れたようだった。

正直に言って、その傍らで私は気が気ではなかったのに。
どちからと言えば、私はなのははそんな決定を素直に受け入れないで反発すると思っていた。
誰がなんと言おうと休ませてほしいと、上司に談判するのではないかと思ってもいた。

もしもそんなことになって、ことが大きくなったら私が間に入ったほうがいいのではないか、なんてことまで考えていたのに。


・・・そうか。
そんな希望を抱くほど、私はなのはに休んで貰いたかったのか。
なのはが休みがほしいと掛け合うと踏むほど、私は今日をなのはと過ごしたかったのか。

不思議なことではない。
私が想像する彼女とは、私の心を投影したスクリーンそのものだ。








人間とは単純なもので。

会いたいな、と思ってしまうと、それだけで頭がいっぱいになってしまう。

そんなわけで、なのはがいるはずの教導隊まで来ちゃいました。

オフの格好できて「なのはを探しに」なんて言うのは流石に恥ずかしいので、堅苦しい執務官の制服を着て。
この制服を着ていれば、大抵の場所では『何らかの用事で着ているのだろう』と周りの人は思ってくれるし、もしも何の用事で来ているかと訪ねられても、「私の一存では答えられない」とだけ言っておけば、大体の人は引き下がってくれる。


教導隊のオフィスには珍しい客人なのか、どことなく、周りの目が、なにか動物園で珍しい生き物を見るような、そんな感じで私を見ているような気がする。

これは、なんというか、気まずい。

じろじろと見るくらいなら、誰か話しかけてくれればいいのに。

別に顔なじみではないけれど、私がなのはの・・・その、恋人ということくらいは皆知っているはずだ。

「なのはさんのお迎えですか」くらい言ってくれればいいじゃないか。

と、周囲のどことなく排他的な雰囲気に心の中で少しばかりの悪態をついてから、今の自分が執務官姿であることを思い出す。

そりゃ、制服姿の執務官に「なのはさんのお迎えですか」なんて話しかけてくる人が居るわけが無い。

私だって、ティアナが執務官の制服でスバルを迎えに行ったとして、ティアナに「スバルと待ち合わせ?」なんて声はかけないだろう。

「そんなわけないじゃないですか」なんて真顔で言われてしまいそうだ。


けど、けれど・・・。
なんだか、ひそひそと噂話をされているような?
いいんですか、あなたがた。
なのはに「あの人にひどいことされた」って言っちゃいますよ。

・・・いや、やめておこう。あまりにもかわいそうだ。うん。



「あの、なにか?」
声のするほうに向かって、あくまで整然とした態度で尋ねる。
ここでちょっとでも角を立てて、なのはに迷惑が掛かったら申し訳ない。

それに、まぁ、私のことを話しているとも限らないわけだし。
もしかしたら、私が自意識過剰であっただけなのかもしれないし。


「あの、フェイトさん」

すると、視界の外からどこかで聞いたことのある声が飛んでくる。

あーえーっと。
この人は知ってる。
名前はすぐに出てこないけれど、以前、なのはと休日、外に出ていたら、偶然この人も居て、律儀に挨拶に来た人だ。
見るからに真面目で、きっと血液型はA型なんじゃないだろうか。

その人は、遠巻きに私を見ていた人たちに手を降りながら「ほれ、散った散った」とめんどくさそうに言う。
すると、それを合図にするかのように、オフィスに出来ていた、珍獣ウォッチングツアーは解散した。



「いやー散々でしたね。でも、フェイトさんも。ほら、一応、公共の場ですから」

いや、公共の場なのは知ってるけども。
だからこそこうして執務官の制服で着たのに・・・。

あれ?教導隊って執務官立ち入り禁止だったっけ?なんて疑問が頭をよぎる。
いや、そんなわけは無い。
・・・?
・・・。・・・?

どういうことかさっぱりわからない。

「あの、何か、問題でも?」
私は『本当に私、どういうことかわかってないんです』というオーラで尋ねる。

すると、相手さんもあっけに取られたような顔をして。
ちょっと苦笑いしながら口を開く
「いえ、お気づきになっていないなら申し訳ないんですけど。昨晩はなのはさんとお休みになったんじゃないですか?」

・・・この人は何を言ってるんだろうか。
いや、わかってる。この人は夫婦間の至極プライベートなところに首を突っ込んでいるのだ。
首どころか胸くらいまで。


「首筋に、虫刺されが出来てますよ」

私は凍りついた。

時間も凍り付けばいいのにと思った。

全て合点が言った。
私をどこか遠巻きで見ている人々も。
その目がなんとなく排他的な、珍獣を見るような目であったことも。
そして、誰も私に話しかけてこないことも。

最悪だ。
気取って、執務官の制服なんて着てこなければ良かった。
家を出る前に、一度シャワーでも浴びて、身だしなみを確認してからこればよかった。
最近お気に入りの、首筋まで隠れる私服を、今日も決めてこればよかった。


何を思ったところで、後悔先にたたず。
アフターのカーニバルだ。


私は、なんと返していいのかわからずに、
首筋を手で押さえて、口をぱくぱくさせていると、相手が気を使ってくれたのか、それでは。とだけ残して去っていった。



と、目の前が真っ暗になる。

「だーれだ?」

後ろから聞こえてくるのは、楽しそうな彼女の声だ。

「なのはでしょ」

なんて、あきれたように私が返すと、彼女は満足したようにピンポーンなんて言いながら手をどける。

「どうしたの、執務官の服なんて着ちゃって。テストが終わったら。フェイトさんがいらしてますよ。なんていわれるからびっくりしちゃったよ」


「いや、あの、その、あのね・・・」
私は何から話せば良いのか、そもそも何を話せば良いのかわからず言葉につまる。

「いーのいーの、なのはさんには全部わかってしまうのですから」
と、ころころと笑う。
本当に全部わかっていそうなところがなんだか悔しい。

「けど、執務官の制服で来たのは失敗だったね~。テスタロッサ執務官、確認を怠ってはなりませんよ」

この虫さされを作ったのはなのはじゃないか。
なんで私が悪いような流れに・・・?
けれど、なのはが返事は?なんていうものだから。
はい・・・って答えちゃいました。

「あ~あ、フェイトちゃんのせいで、明日から私からかわれちゃうよ」

と、いいつつも、どこまでも余裕たっぷりの彼女。

時折、そんなところがうらやましくなる。


うーん、なんて返せばいいんだろう。

なのはがつけたくせに。

私だって恥ずかしかったよ。

家を出るときに一言くらい言ってくれても良かったのに・・・。


えーっとうーんと。

ああ、そうか。そうだった。

「あの、なのは」


「なぁに?」


そう、まだ言ってませんでした。




「誕生日おめでとう」


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2012.03.16 / Top↑
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