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こんばんは、てぃーるーむです。

今日は愛知県は雪だという予報が出ていましたが、なんとか凌いだ感じです。
積もられると、雪の中運転しないといけないので、ちょっぴり緊張しますww


さて、今回のSSは、安全地帯の名曲「ワインレッドの心」からインスピレーションがわいた作品となります。
若い方も、どこかで一度は聞いたことがある曲ではないでしょうか。
知らないという方、どうぞ安全地帯をyoutubeかなにかでお聞きになってみてください。
私、てぃーるーむ、安全地帯が大好きですw
・・・あ、一応言っておきますが、まだ私もそんなに年ではございませんので!(


SSの一部、「ワインレッドの心」より歌詞を引用させていただいております。

また、飲酒描写がありますので、なのはとフェイトは成人後、ということで。
良い子は未成年のなのにお酒を飲んじゃだめですよ!


それでは、「ワインレッドの瞳」





窓の外からは、数時間前に完全に太陽が姿を消した。
今では、人工物の明かりと、雲に隠されまいと必死にがんばる月の仄かな明かりだけが、街を照らしていた。

既に、一般的には深夜と呼ばれる時間だ。

窓の外でぽつりぽつりと光る家の明かり、マンションの個室の明かり。

それぞれの部屋に、本当に人がいて、起きていて、何かをしているというのをよくよく考えると、不思議な気持ちがしてくる。
私とは違う人生を歩んでいる人が確かにいて。
その人は、もしかしたら本を読んでいるかもしれないし、もしかしたら終わらない仕事に追われているのかもしれない。
それとも、真っ暗な部屋では寝られない、ちょっと怖がりなお嬢さんなのかもしれない。

そして、もしかしたら。
向こうも私の部屋の明かりを視界に含めながら、私と同じことを考えているかもしれない。


部屋では、既になのはもヴィヴィオも、ベッドの中で夢を見ている。
寝顔をちらりと見やる感じでは、特にうなされている様子もなく、別段怖い夢をみているというわけでもなさそうだ。


その一方で、私はどこか眠れずにいた。
なのはにはまだ知られていない(と、思う)が、私はたまにこんな日がある。
眠れない。という相談は、大抵の場合は相談した相手にも何かしらの負担をかけることが多いし、別に命に関るような事でもないということで、私はなのはや、その他身近な人にも相談できずにいた。

こんな日はいつも本を読んで過ごしたり、過去の思い出浸ったりして過ごすものだが、今日は、なんとなく。そういう気分じゃなかった。

静かに、口元にワイングラスを運ぶ。
赤ワイン。シャトー・モン・ペラ。01年。
もともとは有名ワインの陰に隠れた裏方のワインであったが、とあることがきっかけで一斉に店頭から姿を消したワイン。
どちからといえば、酸味が立つワインで、深夜に飲むようなワインではないと思うけれど。
ワインに酔いたいのか、自分に酔いたいのか、思う以上に、グラスは進んでいた。

私も、なのはも。好んでアルコールを口にすることは少ない。
仕事の上での付き合いで、ほんの嗜む程度。
明日の朝、飲みかけのワインボトルを見て、なのはに何か言われるような気がしたが、それはまぁ、言われてからなんとかしようと思う。
別に、悪いことをしているわけでもないのだから。


ベッドのなのはまでの、ほんの数メートルがとてつもなく遠く見える。

もっと。気楽に、なのはと深夜を過ごせたらいいなと思う。
明日はお互い仕事がないわけだし。

なのはを揺すって起こして、一緒にワインを飲めたら。

どこかの綺麗な夜景も、お洒落なフランス料理も必要ない。

ただ、なのはがいれば、それでステージは整っているのだから。

ずっと、あなたのそばにいて。

もっと。

もっと、何度も抱きあったり。

ずっと。

ずっと、今夜を揺れあったり。


きっとなのはを揺すり起こして。
ただ一言。「何故か寂しい」そう呟けば、今以上。それ以上。愛されるのに。
それはきっと、確実なことなのに。
そうならないことが怖くて、私は、なのはの意識を引き寄せられない。

・・・いけない。感傷的になってきている。
入ったアルコールが、深夜の暗闇に紛れて、私の心を揺さぶろうとしている。

寝息しか聞こえないこの部屋に、そっと何かが入ってきて。
人ならば誰でも持ち合わせている、言い知れぬ孤独感を揺り起こそうとしている。

けれど、そんなことは思っても、最早、止められない----







・・・トちゃん。

何?

・・・イトちゃん。

私を、呼んでる?

何が?一体、私しか居ないこの部屋で。何が?


「フェイトちゃん?」


「・・・へっ?」
目を開けると。なのはがいた。
どことなく、心配そうな目で私を見つめて。

え?え?どういうこと?

「いやぁね、寝れないなって思ってたら、フェイトちゃんがうなされてるものだから、心配になって起こしちゃった」
ごめんね。となのはは言った。


・・・夢?
寝られなかったのは、私ではなくてなのはの方だったってこと?

テーブルの上には、ワインボトル。
空想の世界と、現実の世界がリンクしているなんて。
現実を投影した予知夢のようなものを私はみていたのだろうか。

「なのはがお酒を飲むなんて、珍しいね」
夢の中で飲んでいたのは自分だが、これは素直な感想。


「うん。でも、なんだか寂しくなってきちゃった」
夢の中で、寂しくなったのも自分。


なんでワインを飲みたくなったのか尋ねてみる。
夢の中の私は、ただ、なんとなく飲んだだけだけど。

「うーん?フェイトちゃんのことを考えてたからかな?」

なのはは何を言ってるんだろうかと考えるが、まったくもって見当が付かない。
こんなことをいうと怒られてしまうかも知れないけど、なのはは、たまに突拍子の無いことをすることがあるし。

なんてことをフェイトが考えていると、なのははワイングラスをフェイトの目線にあわせる。

「ね?フェイトちゃんの目と一緒でしょ」

なんて、口元が緩む彼女。

私の目は、ワインレッドというほど、色彩が濃いわけではないけれど、それはあくまで日中の話。
夜中で、確たる明かりも無いこの部屋では、私の瞳は色を増して、そう映るのかもしれない。

普通は、ワインを飲んでいたら、フェイトちゃんのことを思い出して・・・となるのに。
フェイトちゃんのことを考えていたらワインを飲みたくなって、なんてところが実になのはらしい。

その一方で、私と直接向かい合わなくても、私の目の色を想うくらいに考えていてくれたのかと思うと嬉しいような恥ずかしいような。

私に、もし良かったら・・・と遠慮がちに差し出された空のワイングラス。

それを私は喜んで受け取る。

夢の中で、私が望んでいたこと。


けれど、夢の終わりに感じていた孤独感は、私も、なのはももう感じていない。


そんな、少し前の孤独感をそっと抱いているより。

忘れてしまえば。


今以上。それ以上。  愛されるのに。

フェイトは、その透き通った瞳のままで。

あの、消えそうに燃えそうなワインレッドの、瞳を持つ。

フェイトの願いが、叶うのに。

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2012.02.17 / Top↑
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